SaMDシリーズ⑦
2020 年 12 月、ジェネリック医薬品メーカーである小林化工社が製造する抗真菌薬(水虫治療薬)に睡眠導入薬が混入するという事件が起こりました。当該製品を服用した患者2人が死亡した他、200 人を超える患者被害が報告(1)されており、原因究明のため厚生労働省、福井県、PMDA による立ち入り調査が行われました。その結果、厚生労働省は、小林化工に対して116日間という業務停止命令の処分を下す方針であると報道(2)されています。また、これまでの経緯からこの製品にとどまらず他の製品においても製造工程や品質の不備が発覚し、12成分21製品の自主回収に至っています。(3)
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2020年は文字通り、激動の年でした。1月、中国で原因不明の肺炎が流行していると話題になり、その肺炎は一気に全世界に広まりました。日本も例外ではなく、中国からの帰国者対応、ダイヤモンド・プリンセス号、緊急事態宣言…国全体で盛り上げてきたはずの東京オリンピック・パラリンピックは延期となり、社会全体で様々な対応が急激に求められる中、このDigital HealthTimesは4月に始動しました。
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SaMDシリーズ⑥
2020年11月26日、内閣府規制改革推進会議第4回医療・介護ワーキング・グループ(以下、「WG」という。)が開催されました。テーマは、①医薬品提供方法の柔軟化・多様化、②最先端の医療機器の開発・導入の促進の2つで、今回の記事では後者について規制改革推進会議でどのような提言と議論がなされたのか取り上げたいと思います。(1)
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SaMDシリーズ⑤
Apple Watch ECG appの承認や規制改革推進会議医療介護WGでのヒアリング等で盛り上がりを見せる日本の医療機器プログラム界隈に新たな歴史的瞬間が訪れました。2020年11月11日、中央社会保険医療協議会(以下、「中医協」という。)総会において、CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー(以下、「CureApp SC」という。)が、デジタル療法医療機器として初めて保険適用の承認を受けました。
このビッグニュースをうけて、日本の「DTx」業界は大きな盛り上がりを見せています。今回は、CureApp SCの保険償還を糸口として、医療機器の保険償還とはどのようなものかを簡単にご説明し、最後に今回の保険償還が後続のDTxに与える影響について少し考えてみたいと思います。
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SaMDシリーズ④
2020年10月19日に開催された内閣府規制改革推進会議 第1回 医療・介護ワーキング・グループにおいて、弊社から説明したSaMD開発促進における課題の後半は、規制当局の承認体制及び承認プロセスに関するものになります。
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SaMDシリーズ③
2020年10月19日、内閣府規制改革推進会議においてSaMD(医療機器プログラム、Software as a Medical Deviceの略)がテーマとして取り上げられ、河野太郎規制改革担当大臣のもと、民間からの提言に基づき議論が行われました。民間からの説明者として弊社も参加しましたので、どのような提言がなされたのかについて、本記事でご紹介します。
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サイバーセキュリティシリーズ③
2020年4月に厚生労働省から発出されたオンライン診療に関する事務連絡(1)により、診療だけでなく服薬指導もオンラインで完結することが可能になりました。オンライン診療の活用が進む要因となり、多くの医療機関でオンライン診療サービスの利用開始が進んでいます。オンライン診療のサービス提供形態には、オンライン診療に特化したサービス(オンライン診療専用サービス)と、既存のビデオ通話システム(汎用サービス)を活用したオンライン診療の大きく2つがありますが、どのシステムを採用したらよいかわからないと悩む医療機関の声をしばしば耳にします。
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サイバーセキュリティシリーズ②
2020年9月、NTTドコモの「ドコモ口座」を経由した不正出金が発覚(1)し、多くの被害者が出ました。また、いくつかの他の金融機関でも同様の不正出金のインシデントが発生しています。セキュリティがしっかりしている印象の強い国内の金融業界でおきたこの事例を踏まえて、医療業界のセキュリティを確保するためにには何が必要かについて考察したいと思います。
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SaMDシリーズ②
2020年9月18日、Apple Watch Series 6の発売が開始されました(1)。Apple Watch Series 6には、血中酸素飽和度(以下、「SpO2」という。)を測定するパルスオキシメータ機能が搭載されたということで、大変話題となっていますが、この機能について、Apple社は「この機能は、医療での使用や医師との相談または診断を目的としたものではなく、一般的なウェルネスとフィットネスのためだけに使えます。」とホームページ上で記載しています。これは一体どういうことなのでしょうか?
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バーチャル治験シリーズ③
過去2回の記事では、国内外におけるバーチャル治験、特にオンライン診療の動向を紹介してきました(1)(2)。今回は、より長期的な視点で、DXが進んだ未来におけるバーチャル治験のイメージを描いていきます。その上で、未来の理想像と今のギャップを整理していきたいと思います。
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