2020年の振り返り

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2020年は文字通り、激動の年でした。1月、中国で原因不明の肺炎が流行していると話題になり、その肺炎は一気に全世界に広まりました。日本も例外ではなく、中国からの帰国者対応、ダイヤモンド・プリンセス号、緊急事態宣言…国全体で盛り上げてきたはずの東京オリンピック・パラリンピックは延期となり、社会全体で様々な対応が急激に求められる中、このDigital HealthTimesは4月に始動しました。

Digital Health Timesは名のとおりデジタルヘルスに関するトピックを様々な視点で提供するメディアです。大きく変動する今の社会に対して提供するものとして、やはり最初に取り上げるべきデジタルヘルス関連トピックはオンライン診療だろうと、立ち上げ初期は連続してオンライン診療に関する記事を公開しています。国内でのオンライン診療の歴史コロナ禍による変化海外の動向…当時の記事は、執筆業に慣れない中、手探りで書いていましたし、粗の目立つ内容もあるなあと読み返して思います。

この1年でオンライン診療を取り巻く環境も大きく変化しました。時限的・特例的措置に伴う初診解禁・疾患制限の撤廃、オンライン服薬指導の開始、恒久化議論、大手IT企業を含めた新規参入に伴う業界MAPの変動…あげればきりがないほどです。引き続き、動向をお伝えできればと思います。

そして、コロナ禍をものともせず活発だったのはSaMD関連の動向でした。Digital Health Timesでも多くの方に読んでいただいた記事はやはりApple Watch ECGに関する記事CureApp SCの保険償還に関する記事でした。それだけ、この業界でこの2つの話題が大きかったのだろうと思われます。各種プロダクトが社会実装され始め、規制のあり方に課題があることもようやっと表に出てきたと思います。規制改革推進会議でSaMDがトピックとして取り上げられ、国民に課題が周知されたことは大きな前進です。

デジタルヘルスはあくまでもより良い医療を実現・補完するツールに過ぎません。どのように社会実装していくのが社会にとって最適なのか、産官学で引き続き議論し、アップデートし続けていくことが求められます。バーチャル治験、SaMD、医療情報セキュリティ、様々な切り口から、最新のトピックを織り交ぜながら、「何に気をつけなければならないのか」「社会実装の上で何が課題となっているのか」といった観点でDigital Timesでは情報を提供することに努めてきました。様々なシーンで議論の取っ掛かりとしてこのメディアをお使いいただきたいと考えています。

ちなみに、編集者が個人的におすすめしたい記事は医療情報セキュリティの記事、またバーチャル治験とはどのようなものかという記事です。いずれも、引き続き2021年のデジタルヘルス業界のトピックとなるでしょう。新米編集者ではありますが、これからも皆様に良質な情報を提供できるよう精進していきたいと思っています。

激動だった今年も残すところ数時間。

来年はどんな年になるのでしょうか。

ワクチンが海外で開発・社会実装され、国内で接種ができる日もそう遠くはないだろうと期待されます。ただ、まだ自粛は必要で、不安定な社会情勢の中、気の抜けない日々が続くのでしょう。

それでも、未来が明るいものだろうことを願い、そしてデジタルヘルスがその未来に貢献するだろうと信じてDigital Health Timesから情報発信していきたいと思っています。

どうか皆様、良いお年を!

そして、来年のDigital Health Timesもどうぞお楽しみに。

2020年12月31日

Digital Health Times編集者より

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