Digital Health Times 編集部

医療情報安全管理ガイドライン第5.1版発行によるクラウドサービス事業者への影響

COVID-19が大流行し、これまでオンサイトで行われていた様々な事象がオンラインに移行されるとともに、サイバー犯罪が増加した2020年。ヘルスケア領域においても、同年3月に米国保健福祉省が大規模なDDos攻撃に晒され手術が何件も取りやめとなり、9月にはCOVID-19ワクチンを研究していた英国製薬会社に、またその1ヶ月後には英国保健省に何者かが攻撃を仕掛ける事件が発生するなど、サイバー攻撃の脅威は高まり続けています。(1)

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デジタルヘルスのメッカを目指す京都大学の挑戦

2021年3月2日、京都大学デジタルヘルスセミナー「SaMDを巡る動向と京都大学の新たな取組み」がオンラインで開催されました(1)。2020年は、医療機器プログラム(Software as a Medical Device、以下「SaMD」)に様々な観点で注目を集まりましたが、このSaMDを巡る規制改革や国際的な動向についての最新情報の紹介とともに、京都大学において始動しつつあるデジタルヘルスに関する2つの取組について本セミナーで公開されました。今回は本セミナーの内容をご紹介します。

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オンライン診療のサイバーセキュリティと医療ISACの試みについて

2021年2月、⽇本遠隔医療学会スプリングカンファレンス(1)が開催されました。その中で「オンライン診療時代のサイバーセキュリティ医療 ISAC の試み ―令和 2 年度厚⽣労働⾏政推進調査事業―」というワークショップがあり、弊社のセキュリティ担当である坂本が演者として参加しました。

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小林化工の事例から考える医療機器プログラムの品質保証の重要性

SaMDシリーズ⑦

2020 年 12 月、ジェネリック医薬品メーカーである小林化工社が製造する抗真菌薬(水虫治療薬)に睡眠導入薬が混入するという事件が起こりました。当該製品を服用した患者2人が死亡した他、200 人を超える患者被害が報告(1)されており、原因究明のため厚生労働省、福井県、PMDA による立ち入り調査が行われました。その結果、厚生労働省は、小林化工に対して116日間という業務停止命令の処分を下す方針であると報道(2)されています。また、これまでの経緯からこの製品にとどまらず他の製品においても製造工程や品質の不備が発覚し、12成分21製品の自主回収に至っています。(3)

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2020年の振り返り

2020年は文字通り、激動の年でした。1月、中国で原因不明の肺炎が流行していると話題になり、その肺炎は一気に全世界に広まりました。日本も例外ではなく、中国からの帰国者対応、ダイヤモンド・プリンセス号、緊急事態宣言…国全体で盛り上げてきたはずの東京オリンピック・パラリンピックは延期となり、社会全体で様々な対応が急激に求められる中、このDigital HealthTimesは4月に始動しました。

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デジタルヘルスに残された議論〜規制改革推進会議でのやりとり〜

2020年11月26日、内閣府規制改革推進会議第4回医療・介護ワーキング・グループ(以下、「WG」という。)が開催されました。テーマは、①医薬品提供方法の柔軟化・多様化、②最先端の医療機器の開発・導入の促進の2つで、今回の記事では後者について規制改革推進会議でどのような提言と議論がなされたのか取り上げたいと思います。(1)

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「禁煙治療用アプリ」CureApp SCが保険償還されたこととその意味

Apple Watch ECG appの承認や規制改革推進会議医療介護WGでのヒアリング等で盛り上がりを見せる日本の医療機器プログラム界隈に新たな歴史的瞬間が訪れました。2020年11月11日、中央社会保険医療協議会(以下、「中医協」という。)総会において、CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー(以下、「CureApp SC」という。)が、デジタル療法医療機器として初めて保険適用の承認を受けました。

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